鉄鼠の檻
京極夏彦
講談社文庫
忽然と出現した修行僧の屍、山中駆ける振袖の童女、埋没した「経蔵」…。
箱根に起きる奇怪な事象に魅入られた者―骨董屋・今川、老医師・久遠寺、作家・関口らの眼前で仏弟子たちが次々と無惨に殺されていく。
謎の巨刹=明慧寺に封じ込められた動機と妄執に、さしもの京極堂が苦闘する、シリーズ第四弾。
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縦:15cm
横:10.5cm
厚さ:5.5cm
ページ数:1359p
とにかく膨大な紙量。それこそ凶器になりそうな分厚い一冊です。
私の弱い頭も、よく頑張ってくれました。。。
「禅」を中心に、仏教の歴史、脳科学について深い考察が語られています。
下手な禅入門書よりも分かりやすくまとまっている(らしく)、葬式仏教の私でも、すんなりと禅の世界に触れ、入り込み、憑かれる事が出来ました。
広がりに広がって、こんがらがって、しっちゃかめっちゃかになっていた伏線たち。
それがラスト数十ページでスルスルと集まり加速収斂していく様は、もうなんとも言えない気持ちよさ。
そして毎回ため息を吐いてしまう、美しい情景描写。
その言葉の選び方、韻の踏み方の心地良さは、実世界をいとも簡単に壊してくれます。
ふと振り返れば当然障子戸があり、細く空いた隙間には黒い木々が霞むほど牡丹雪が舞っている・・・なんて錯覚してしまうのでした。
?が残った禅問答の解、拾いそびれた伏線がありそうなので、再読しようと思います。
お気に入りの言葉は、
『見事。見事な領解である』
『病の者は健康を意識する。しかし本当に健康な者は健康を意識することはないだろ。健康と云う概念が失われている状態が真の健康なんだね。
自己に対しても世界に対してもそれは同じで、自分とは何か世界とは何かと問うているうちは本当ではない。自分とか世界とか云うものがすっかりなくなって、初めて自分があり世界がある。』









